自動車は大きな産業であり社会インフラであるが、時代遅れになっていることを肌で感じた話を2つ。
1つめ。私が住む世田谷区下高井戸は最先端の交通網である甲州街道+首都高速4号線から数10メートル南側に位置している。数10メートルの距離なのだが街の中は完全に歩行者優先の道路、さらに最先端を行く?世田谷線が走るなど、甲州街道とはまったく別の世界になっている。昨日ここで摩擦が起きていた。自動車の運転手と子供を乗せる自転車を操作するお父さんの間で、自動車の運転が荒いことをこのお父さんは腹を立てているという構図。
自動車は歩行者とまったく違うスピードを持つ道具。私達は高速道路から一般道に行くときはスピード感が変わっているから気をつけるように教習所で教育を受けるが、これは甲州街道と下高井戸の間でも同じこと。先ほどの摩擦は起きるべくして起きている。特に運転手は歩行者のいる道路での「運転モード」を見直さなければならない。きっと自動車にその「運転モード」を切り替えるスイッチが必要だ。「高速自動車道モード」「街道モード」「住宅街モード」「駐車場モード」など。
今のオートマチック車は運転が簡単すぎて、運転手がうまくモードを切り替えられない事象が起きている。
二つ目。私が住むマンションの駐車場。住戸の半分に満たない台数しかないのだが、しかしそれも年と共に台数が減り始め、今では駐車場は半分しか使われていない。つまり住戸の25%程度の人しか車を使っていない状況で、増える見込みもない。車は移動道具、趣味、ステータスで持つことはあっても、生活する上で必須のものではなくなっている。もはや免許ですら必須ではない。
私が住む下高井戸には二つの最先端交通システムが同居している。つまり、一時代前の最先端の自動車とこれからの最先端歩道+路面電車である。