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業務システムは、作る? ありもの? 迷ったときに考えること
「業務のためのシステムを作りたいんです」。そう相談をいただいても、私はすぐにシステムの話には入りません。まずうかがいたいのは、もっと手前のことだからです。
「いま、どんなことにお困りですか」「その業務が、どういう状態になっていたら、うれしいですか」。作るのか、ありもので済ますのか——どんな形にするかは、その「どうなりたいか」がはっきりしてから決めればいいと思っています。形から先に決めると、あとでずれてしまいがちです。
なので私は、システムの話より先に、お客様の困りごとと、こうなりたいという姿をうかがいます。今日は、そのうえで「作る」か「ありもの」かをどう考えているか、という話です。
そのうえで、「ありもので済むか」を考える
ここ数年で、よくできたサービスがずいぶん増えました。会計、勤怠、予約、顧客管理、在庫。たいていの業務には、月額いくらで使える既製のサービス——いわゆる「ありもの」が、もうあります。
なので、ありもので足りそうなら、まずそれを使ってみることをおすすめしています。既製のサービスは、たくさんの人に使われて磨かれているぶん、よくできていて、すぐ使えて、初期費用も少なくて済みます。ゼロから作れば数ヶ月かかるものが、契約したその日から動きます。
こう言うのは、うちの利益より、お客様の利益を先に考えたいからです。作れば私たちの売上にはなりますが、お客様にとってありもので足りるのなら、そのほうがいい。実際に、はじめは作るつもりだったのを、途中でありものに切り替えて、それでうまくいったお客様もいらっしゃいました。
それでも「作る」が向いているとき
とはいえ、作る意味がないわけではありません。こういうときは、作ったほうがいいと感じます。
ひとつは、やりたいことがかなり特徴的で、ありものでは実現できないとき。既製のサービスは、多くの人に当てはまるように作られています。だから、少し変わった要望や、細かく作り込みたいところは、どうしても届かないことがある。そこがその業務の肝なら、作るしかありません。
それから、その仕事の進め方そのものが、その会社ならではの持ち味になっているとき。たとえば、独自の段取りでうまく回っている、といった場合です。ありもののやり方に合わせて自分たちのほうを変えると、その持ち味が薄れてしまうことがあります。そういうときは、自分たちのやり方に合わせて作るほうがいいのかな、と思います。
もうひとつは、いくつものサービスの「隙間」をつなぎたいとき。あの道具とこの道具の間を、毎回手作業でつないでいる。その手間が積み重なっているなら、隙間を埋める仕組みを作る意味があります。ご相談をいただくのも、実はこの「隙間」の話が多いです。
そして、長く使ううちに費用が逆転するとき。ありものの月額は手軽ですが、人数や規模が増えると積み上がっていきます。何年も使うなら、作ってしまったほうが結局は安くつくこともあります。
「ありもの」にも、弱いところはある
ありものは手軽ですが、いいことばかりでもありません。ここも正直に書いておきます。
カスタマイズには限界があって、「あと一歩、こうしたい」が届かないことがあります。データはサービス側に預ける形になるので、あとで別のサービスに移そうとすると大変なこともあります。使っているサービスが値上げしたり、終わってしまうことも、ないとは言えません。
ありものにも、作ることにも、それぞれ良いところと弱いところがあります。完璧な正解を探すというより、自分たちにとってどの弱いところなら受け入れられそうか、で選んでいくのがいいのかなと思います。
全部を一度に決めなくていい
それから、「全部作る」か「全部ありもの」かの二択で考えなくていい、ということもお伝えしたいです。
実際には、混ぜるのがいちばん現実的なことが多いです。ありもので足りるところは既製のサービスを使って、自分たちならではの部分、要になるところだけを作る。全部を抱え込まず、かといって全部あきらめず、ちょうどいい配分を探す。そのあたりの相談なら、私にもお手伝いできることがあると思います。
おわりに
システムの形より先に「どうなりたいか」をうかがうのは、そこがずれたまま作っても、ずれたものができてしまうからです。やりたいことがはっきりすれば、作るのがいいか、ありもので足りるかは、自然と見えてきます。ありもので足りるなら、私はそう正直にお伝えします。
作るか、ありものにするか迷っている方は、どうぞお気軽にご相談ください。お話をうかがってから、一緒に考えます。